2009-11

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シエラレオネ子供・青年支援調査の短い紹介文

前回、シエラレオネ国カンビア県子供・青年支援調査のホームページを紹介しましたが、職場のRegional Trendという雑誌にも簡単な紹介文を書きましたので、ホームページを読むのはかったるい、面倒だという人向けに短縮版を以下に掲載しておきます。詳しく知りたい方や、現場の写真に関心がある方はぜひ上記のホームページをご覧になってくださいね。

IDCJ Reginal Trend誌No. 6(2006年12月発行) - IDCJ Hot Line

プロジェクト紹介「シエラレオネ国カンビア県子供・青年支援調査」

シエラレオネと聞いてもどこにある国か、わかる人は少ないでしょう。私もシエラレオネの仕事に関わるまではそうでした。シエラレオネは西アフリカの大西洋に面している国で、北海道くらいの面積に約500万人の人が暮らしています。国名は初めてシエラレオネを訪れたポルトガル人航海士が、山からライオンの声が聞こえてきたと誤解してつけたといわれており(シエラレオネにはライオンはいません)、ポルトガル語で「ライオン山」という意味です。もともとイギリスの植民地で、首都は18世紀末にイギリスの解放奴隷が戻ってきて定着した町ですので、フリータウン(自由の町)と名付けられています。英語が公用語で、首都では黒人と白人の混血のクレオール人が多く、クレオール語(かなり英語の語彙が多い)が共通語として使われています。

シエラレオネでは1991年から2002年まで11年間、国内のダイヤモンド鉱山の利権を巡って内戦が起こり、多くの子供が反乱軍に誘拐されて少年兵・少女兵として従軍させられ、1万人以上の民間人が手足を切断されたことで知られています。現在のシエラレオネは治安も思ったほど悪くなく、人々は必死で戦争の悪夢を忘れて平和を築いていこうとしているようです。しかし、戦争の傷跡は深く、首都でも電気は週2時間程度しか配電されず(したがって私達は自家発電機で電気をおこしています)、多くの建物が戦闘機による爆撃で破壊されたままです。小学校も校舎がなく、木に黒板を打ち付けて授業を行っている青空学校がまだまだたくさんあります。

私達の調査は、2005年9月から3年間の予定で、シエラレオネのカンビア県で、30の小学校と3つの中学校を対象に、学校を通したコミュニティ開発に取り組んでいます。シエラレオネは西アフリカ最古の大学がある国で、人々はとても教育熱心です。学校も教育省が建設した学校以外に、上述の青空学校のように、地域の住民達が自分達で設立した学校が多くあり、教師も村の若者がボランティアで教えています。このように住民達が熱心に取り組んでいる学校を核にして、村おこしを図っていこうというのが本調査の趣旨で、各学校に「教育とコミュニティ開発の委員会」を設立してもらい、教員や生徒の親や村の有力者だけでなく、地域の青年グループや女性グループにも参加してもらって、学校のために自分達ができること、村のために自分達ができることを自分達で考えてもらい、それを支援しております。

内戦で長年苦しんできたシエラレオネには、多くの緊急援助がこれまで注がれてきており、政府や住民達もただで物をもらうことにすっかり慣れてしまい、自分で努力をしようとしなくなってしまう傾向が見られ、残念なことに、多くの緊急援助がドナーが去ったとたんに雲散霧消してしまっています。現在シエラレオネでは、難民や帰還民の支援を行ってきた多くの緊急援助機関が撤退を始めており、シエラレオネの人達はドナーに頼らずに自分達で村の復興・開発に取り組んでいくことが求められています。

したがって、本調査では、シエラレオネが長期的に自分達の力で持続的に発展していけるようになることを目標に、地域の住民組織の能力作りに重点的に取り組んでいます。具体的には、各学校に「教育とコミュニティ開発の委員会」を設立してもらい、必要な研修を行い、自分達がやりたい活動を計画してもらい、その活動の実施を支援し、実施後に反省し、次の計画作りにフィードバックするという、いわゆるPlan-Do-Seeのサイクルを繰り返してもらうことによって、住民組織の能力育成を図ろうとしています。各住民組織への支援は、能力に応じて小さな規模からスタートして、徐々に大きくしていこうと考えております。

各学校の「教育とコミュニティ開発の委員会」は2006年4月から9月まで、ほとんど自分達だけで実施できる小規模な活動(コミュニティ菜園や学校給食プログラム用の台所・トイレ・井戸整備等)を実施してきました。その経験から実施能力が高いと判断された組織は、やや規模の大きな活動(校舎改善、所得向上活動等)に現在取り組もうとしております。まだまだどの住民組織も経験不足で、活動の実施もスムーズには行かず、よちよち歩きの状態ですが、彼らのやる気を大切にしながら支援を続けていければと考えております。

校舎はなくても、シエラレオネの子供達は明るい
シエラレオネの青空教室の子供達:校舎はなくても明るい子供達

テーマ:アフリカ - ジャンル:海外情報

コメント

参考にさせて頂きます

田中さん、初めまして。大変興味深いブログのご紹介、有難うございました。
今後とも参考にさせて頂きたいと思います。
教員研修の件、教員に研修をうけさせても、実際どれだけそのつけた知識を、教員がクラスで実践するかが、
わたしのいるブルキナファソでは頭の痛い問題になっています。それをフォローアップする顧問も、やる気がなければ、その知識は持ち腐れ。またいろいろ教えてください。どうぞお体にお気をつけて。(モザンビークの添付ファイルがなぜかFile Non Foundになってしまいます。)

コメントをありがとうございます

Thomas Sankaraさん

コメントをありがとうございます。

研修はその後の実施へ支援がないと本当に難しいですよね。私達は教員研修は教師が変わるためのきっかり作りが目的と捉えていて、要するに「この新しい授業はおもしろそうだし、自分にもできそうだから、自分もこの新しい方法で授業をやってみたい」と参加者に思わせられるかどうかが、研修の成否の分かれ目だと考えています。そして、研修の後、学校レベルで教師が新しい授業を実施することを1年以上支援していく必要があると考えていますが、全ての学校を同じように支援していくマンパワーも行政システムもなくて、やはり苦労しています。

ところで、モザンビークの添付ファイルがダウンロードできなくなっていて失礼しました。早速修正しておきましたが、もしかしたらプロバイダの新しい方針で、無料サイトにはdocファイルやpdfファイルを置かせてもらえなくなったのかもしれませんので、ダウンロードできる内にお早めにどうぞ。

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フリータウンについて

フリータウンフリータウン(Freetown)は西アフリカのシエラレオネ|シエラレオネ共和国にある同国最大の都市で、首都。人口は2004年時点で107万人。同国南西部のフリータウン半島に位置し、西に大西洋を臨む港湾都市。イギリスの解放奴隷が建設した欧米型の都市で、かつて西

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社会開発のコンサルタントとして、アジア、アフリカ、中東、南太平洋の国々約40カ国でこれまで仕事をしてきました。シエラレオネ、モザンビーク、キリバス、オマーンといったあまり日本人観光客が来ない国でも仕事をしてきましたので、気が向くままに海外での経験等を伝えていければと思います。(上の写真は、インドネシア・ジャワ島のボロブドゥール遺跡にて)

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